私的小児科外来診療学入門[9]
腹痛の診かた(2)
加藤 英治
1
1福井県済生会病院小児科
pp.264-268
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101381
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腹痛の診断には,病歴と身体所見が重要な位置を占めます.前回の病歴に続き,今回は診察を中心に腹痛の診かたを考えます.
診察を始める前の注意点
診察する前に,冷たい手や聴診器で体に触れて子どもをびっくりさせないように,温めておきます.とくに冬の寒い時はお湯で手を温めるなど気を付けてください.爪は傷つけないように短く切っておきます.これらは子どもの診察の基本的エチケットです.
子どもが泣いたり緊張したりすると腹壁が硬くなるので,腹部所見がわからなくなります.子どもを泣かさずに診察することは大切ですが,簡単ではありません.乳幼児では,おもちゃやキャラクター人形などを見せたり触らせたり,おしゃぶりをくわえさせたりして,診察から注意をそらすような工夫をします.緊張している年長児では,興味をひくような話をして緊張をほぐします.
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