総合外来
サイレント・ベビーの1例―家庭医によるアプローチ
竹中 裕昭
1
1竹中医院
pp.972-974
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101285
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診療所では,小児科を標榜していなくても,時に「子どもの言葉が遅い」といった相談を受けることがある.その多くは2~3歳の発達の個人差が大きな時期の子どもさんのことが多く,「診てもらうとしたら,どこで診てもらったらよいでしょうか」といった相談が多い.しかしなかには,複数の小児科で診てもらっているのに異常がないと言われ,喃語が少なく,四肢の動きや表情に乏しく,活発に泣くこともなく,一見して活気のない,いわゆる“サイレント・ベビー(depressing baby)”と呼ばれる赤ちゃん1)の場合がある.NICU(新生児集中治療室)などの特殊環境下では,患児が反応性愛着障害に陥る危険性があるといわれているが,サイレント・ベビーはそれに類似した状態であるとされている1).
教科書的には,生後6カ月半になると繰り返し母音が言えるようになり,8カ月でパパ,ママ,ダダのような反復する一定の言葉が言えるようになり,1歳6カ月頃には語彙が10語に達すると記載されている2).
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