連載 とらうべ
サイレント・ベビー—静かな赤ちゃんが増えている
柳澤 慧
1
1小児科柳澤医院
pp.1017
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902297
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乳児の発達は運動機能の発達のみならず,心理・精神面でも目覚ましいものがある.毎日が発達である,と言っても過言ではない.その度合いは,個々において異なるものの,乳児期の発達はプログラム通りに実行される.しかし,それぞれの段階において適切な刺激が加わらなければプログラムは活性化されず,結果として発達の異常や遅滞を伴う.
日常の診療や乳児健診などでも,あまり泣かず,静かで,活気や表情に乏しい赤ちゃんを診ることがある.泣かないだけでなく,笑いや喃語,手足の運動なども少なく,「手のかからない静かな赤ちゃん」と受け止められやすい.このような赤ちゃんを,「サイレント・ベビー」と呼んでいる.
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