特集 在宅医療のスキルアップ
【困らないためのスキルアップ●急性期対応編】
認知症が悪化した
中野 一司
1
1医療法人ナカノ会 ナカノ在宅医療クリニック
キーワード:
認知症
,
在宅医療
,
脳の器質的要因のルールアウト
,
社会心理的要因
Keyword:
認知症
,
在宅医療
,
脳の器質的要因のルールアウト
,
社会心理的要因
pp.850-851
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101232
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- 文献概要
認知症は,在宅医療の対象疾患(障害)である
一昨年,認知症のシンポジウムで,かかりつけ医(地元開業医)代表として,「認知症を支えるための地域連携在宅医療システム」というタイトルで講演した.その時,専門医の立場で講演された大学病院精神科の教授から「在宅でも認知症の方がいらっしゃいますか?」と質問されて,ビックリしたことを記憶している.その教授の講演の主旨は,認知症は早期発見してお薬(アリセプト®)で発現を予防し(遅らせ)ましょう,というものだった.
わが国の要介護者の半数以上は認知症の合併があり,認知症は,立派な在宅医療の対象の疾患(障害)である.認知症は,薬で治すというスタンスより,住み慣れた地域(在宅)でケアしていくシステムを構築していく戦略のほうが,より実践的で効果的と考えている(薬はあくまで補助的手段と考える).前述の教授は,認知症の症状が疑われたら,早いうちに認知症外来を受診させるよう言われていたが,「私はどこもおかしくない」と信じて疑わないのも,認知症の症状である.外来に連れてくるより,在宅に訪問診療して,患者・家族の生活面まで考慮して全体的にケアしていくのが,より望ましい認知症患者への対応と考える.
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