特集 片頭痛だけが頭痛じゃない
【頭痛の部位と性状,随伴症状から考える】
⑧随伴症状から考える
長谷川 修
1
1公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター安全管理室/総合診療科
キーワード:
神経症状
,
皮膚症状
,
髄膜刺激症状
,
閃輝暗点
,
前駆症状
Keyword:
神経症状
,
皮膚症状
,
髄膜刺激症状
,
閃輝暗点
,
前駆症状
pp.501-503
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101143
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Case
椎骨動脈解離の1例
患者:47歳,男性.
現病歴:普段からスポーツマンであった.ある日,バッティングセンターで練習中に突然左後頭部に痛みが走り,回転性のめまいとともに頭がボーッとした.気付くと,左顔面と右上下肢で痛覚が鈍く,歩こうと思ってもふらついた.MRAで,左椎骨動脈末端近くの解離所見が認められた.3カ月間の血圧管理と抗血小板薬投与により,以後とくに問題なく過ごしている.
脳自体には頭痛を感じる痛覚受容器がない.痛覚受容器は脳周辺の動脈や静脈洞,骨膜などに多くみられ,血管を含む筋も痛みの発生源になる(図1).また,頭部・顔面を走る末梢神経自体から異常な自発放電が発せられることもあり,これが神経痛の原因となる.これらの病態では,それぞれの頭痛に特有の随伴症状を伴う.
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