総合外来
プライマリ・ケアにおける無症候性腹部大動脈瘤のマネジメント
石川 雅彦
1
,
前沢 政次
1
1北海道大学病院総合診療部
pp.238-240
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101121
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症例呈示
患者:66歳,男性.
主訴:両下腿の違和感.
既往歴:高血圧症.
現病歴:2002年5月8日,外来定期受診時に両下肢の違和感を訴えた.腹痛,腰痛などなし.
臨床所見では,血圧144/80 mmHg,下肢の腫脹,圧痛はなく,静脈瘤やチアノーゼなし.腹部腫瘤触知せず.血管性雑音なく,ABPI(Ankle-Brachial Pressure Index,J1)は右1.1,左1.0で正常.総コレステロール248 mg/dl,中性脂肪272 mg/dlにて,動脈硬化性血管疾患のスクリーニングを考え,腹部・下肢血管の超音波検査を施行したところ,腎動脈下に最大径約4.7 cmのAAA(図1),および右総腸骨動脈瘤,左内腸骨動脈瘤を認めた.同日,循環器外科を受診,CT検査(図2)にて切迫破裂のないことを確認し,帰宅した.後日入院となり,腸骨動脈瘤合併もあるため手術(瘤切除・人工血管置換)を施行し,軽快退院した.
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