特集 高齢者のQOLを高める
高齢者の尿失禁―評価と対策のコツ
加藤 久美子
1
,
村瀬 達良
1
Kumiko Katou
1
,
Tatsurou Murase
1
1名古屋第一赤十字病院泌尿器科
キーワード:
過活動膀胱
,
抗コリン薬
,
腹圧性尿失禁
,
骨盤底筋訓練
,
TVT手術
Keyword:
過活動膀胱
,
抗コリン薬
,
腹圧性尿失禁
,
骨盤底筋訓練
,
TVT手術
pp.1018-1023
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101077
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Case
過活動膀胱の治療で抗コリン薬による口内乾燥が問題になった77歳女性
10年前から頻尿があり,最近トイレに間に合わずに漏れる切迫性尿失禁が1日4回と増加した.他院でポラキス(R)(3mg)3錠 分3を処方されたが,口内乾燥で発語,食事に支障をきたし,数日で中断した.当科でうがいなどの対策を十分説明し,バップフォー(R)(10mg)1錠 分1と少量で処方したところ,副作用が問題になることなく症状改善が得られた.
抗コリン薬を長期継続後,TVT手術を受けた腹圧性尿失禁の74歳女性
2年半前から咳,くしゃみ,重い物を持つなどで,毎日漏れが起こるようになった.他院で抗コリン薬を処方され,症状は不変だったが2年継続した.新聞でTVT(tension-free vaginal tape)手術の記事を見て当科に受診し,ストレステスト,尿流動態検査で重症の腹圧性尿失禁と診断.TVT手術施行後,尿失禁は消失した.
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