今月の臨床 外来でみる感染症
最近の外来でみる感染症
3.小児思春期外来
広井 正彦
1
,
川越 慎之助
1
Masahiko Hiroi
1
,
Shinnosuke Kawagoe
1
1山形大学医学部産科婦人科学教室
pp.900-901
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900504
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小児思春期婦人科疾患のなかで,外陰腟炎は月経周期異常などとともに最もしばしばみられるものの一つである。とくに,小児期においてはエストロゲンの欠如による腟粘膜の菲薄化と腟自浄作用の低下があり,その上,排尿,排便の自己処理の不手際などもあって,腟内には種々の細菌が繁殖しやすい状況にある。初経発現も間近になってエストロゲンの分泌が増量すると乳酸桿菌も増し,腟内は酸性を呈して大腸菌,ブドウ球菌などの病原細菌の性管腔内への侵入や発育は抑えられ,炎症が発生しにくい状態になってくる。しかし,タンポンの誤用とか性癖,性行動の如何によっては十代の後半にも成人と同様の炎症性疾患がみられてくるし,いわゆるSTDの増加も目立つようになってきている。
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