What's your diagnosis?・23
旅行者下痢症の1例?
松村 理司
1
,
榊原 美果
1
Tadashi Matsumura
1
,
Mika Tadashi
1
1洛和会音羽病院総合診療科
pp.915-918
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101051
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病歴
ほとんど医者にかかったことのない,ADLは「ほぼ自立」の81歳の男性.15日前から5日間,“人生最後の旅行”で妻と北京に出かけた.北京料理,広東料理を外食したが,餃子や油ものが多かった.屋台では食べず,生水,生野菜,生魚介類も摂取せず,もっぱら日本から持ち込んだお茶やビール,日本酒を飲んだが,ホテルの冷蔵庫の氷だけは利用した.帰国直後よりたまに鼻汁が出現し,徐々に食欲が低下してきた.6日前からは,腹痛(疝痛様,裏急後重あり)を伴うチョコレート色の下痢が認められた.2日前に左耳痛で近医にかかり,左外耳道炎と診断され,点耳薬(タリビッド(R))を処方されている.下痢は少量だが,7, 8回/日と頻回になり,立ちくらみも出現し,転倒を頻回に繰り返すようになったため,外来を受診し,入院となった.妻にも下痢があったが,軽快している.この間の発熱は不明だが,悪寒・嘔気・嘔吐はない.頭痛・関節痛・呼吸困難もない.
既往歴:終戦時に肺結核(?).家族歴:なし.
嗜好:喫煙;20年前に中止,飲酒;日本酒1合/日,飼育;鳥も含めペット(-).
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