特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.
【渡航後の体調不良】
症例❸旅行者下痢症
藤谷 好弘
1
1札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座
キーワード:
旅行者下痢症
,
海外渡航歴
,
血性下痢
,
重症度
,
フルオロキノロン耐性
Keyword:
旅行者下痢症
,
海外渡航歴
,
血性下痢
,
重症度
,
フルオロキノロン耐性
pp.1437-1440
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204575
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Case
インド渡航後に発熱、消化器症状を認めた1例
患者:21歳、男性
渡航歴:発症14日前から2日前までインドでバックパック旅行
現病歴:インドから帰国2日後に発熱・悪寒・下痢を認め、発症3日目に近医を受診した。急性胃腸炎の診断でレボフロキサシンが処方された。その後も改善しないため、発症7日目に当院を紹介受診し、入院となった。当院受診時も発熱は持続し、下痢は治まって、便秘・腹痛・腹部膨満がみられた。マラリアやデング熱の検査は陰性だった。便培養と血液培養からSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhiが検出され、腸チフスと診断した。薬剤感受性試験でフルオロキノロン耐性と判明し、セフトリアキソン投与にて軽快した。
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