特集 顔の総合診療 顔をみればわかること
【知っておきたい顔面疾患とその対応】
顔面痙攣・三叉神経痛
堀 智勝
1
,
谷 茂
1
1東京女子医科大学脳神経外科
キーワード:
顔面神経
,
血管
,
画像診断
,
電気生理学的検査
,
三叉神経
,
誘発帯
Keyword:
顔面神経
,
血管
,
画像診断
,
電気生理学的検査
,
三叉神経
,
誘発帯
pp.214-216
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100862
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Case 1
患者:23歳,女性.
現病歴:5年前より左顔面に痙攣が出現,徐々に悪化したので近医神経内科に受診.当初は薬物治療を受けたが改善しなかったので,ボトックスを計5回施行した.それでも約3カ月しか効果がないので,手術目的にて入院した.MRIにて,橋延髄移行部に責任血管と考えられる血管を確認した.微小神経血管減圧術を施行したところ,術直後より痙攣は消失した.
顔面痙攣
■問診・診察
顔面痙攣の診断は,患者の顔面痙攣を視診することによって,ほとんどの場合行うことができる.顔面痙攣は,人前での緊張,ストレス,疲れ,強い閉眼などの顔面筋の運動などで誘発されやすい.外来に受診する人は相当悩んだ末に来院することが多いので,診察するだけでなく話を十分に聞くことも大切である.たとえば,営業職や会社の受付などをしている人は,顔がピクピクしているとまともに相手と目を合わせて話をすることができず,仕事にも支障をきたすことになる.誰にも相談できず,人知れず1人で悩んでいることが多く,なかには鬱状態になっている患者もみられるほどである.
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