特集 帰してはいけない外来患者
【ケーススタディ】
急な呆け症状の患者
渡邉 龍太郎
1
1国保藤沢町民病院内科
キーワード:
高齢者
,
精神症状
,
尿路感染症
,
肺炎
Keyword:
高齢者
,
精神症状
,
尿路感染症
,
肺炎
pp.46-48
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100839
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Case
普段とどこか違う患者
患者:83歳,女性.自力歩行可能で,バスで当院に定期通院している.
既往歴:高血圧,変形性膝関節症.
現病歴:3日前から,「天井に虫がいるから追い払ってくれ」と言うようになった.転倒するようになり,顔面や上肢にアザがたくさんできた.家族が「急に認知症になった.どこかおかしい」と,病院に連れてきた.
バイタル:血圧・心拍数はいつもと変わりなし.体温37.1℃.
身体所見:確かに普段と違っていて,少し興奮気味である.咽頭は軽度発赤あり,心雑音軽度あり,腸音軽度亢進,肋骨脊柱角の叩打痛なし,下肢に浮腫なし.右眼周囲と両側前腕に紫斑が認められる.オムツを使用しているが,尿臭が鼻についた.
外来での経過:微熱を認めたので念のために一般血液検査を施行したが,白血球数・CRPの軽度上昇以外は異常なかった.急激に認知症症状が進行したため,慢性硬膜下血腫も疑い,頭部CTを施行したが異常なかった.幻覚があるので,精神科受診を勧め,帰宅させた.しかし同日夜,意識レベルの低下をきたし救急外来にやってきた.
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