EBM時代の生薬・方剤の使い方 [第4回・生薬編]
大黄と腸管
丁 宗鐵
1
1順天堂大学医学部医史学研究室
pp.357-359
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100797
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大黄は,比較的少量の服用で顕著な瀉下活性を示す植物性緩下剤である.漢方医学では,大黄の薬能として,駆お血,消炎,解毒,利胆,向精神作用などがあげられている.このなかのいくつかは,宿便による二次的障害によるもので,排便によって緩解するという解釈が成立しないでもない.しかし,大黄に含まれるanthraquinone誘導体は他の植物性下剤であるセンナ,カスカラクサグラダ,アロエなどにむしろ多く含まれており,瀉下活性のみをもって大黄の薬理を説明することには無理がある.
そこで近年,多角的な大黄の薬理活性の検討が試みられている.これらの新しい研究の動向を含めて大黄の薬理を解説する.
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