特集 悪心・嘔吐へのアプローチ
【症例から学ぶ悪心・嘔吐へのアプローチ】
悪心と頭痛で夜半に救急室を受診した76歳女性
松村 理司
1
,
椎木 創一
1
1市立舞鶴市民病院内科
キーワード:
急性閉塞隅角緑内障
,
眼圧測定
,
眼科コンサルテーション
Keyword:
急性閉塞隅角緑内障
,
眼圧測定
,
眼科コンサルテーション
pp.529-531
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100636
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症例呈示
76歳の女性が,悪心と頭痛を主訴に午後11時半に救急室を受診した.家族に支えられながら,何とか歩けていた.同日の昼に急に左前額部に痛みが生じたという.市販の頭痛薬の服用で症状はやや軽快したが,夜になって「床の間の掛け軸が見にくくなった」のに気付いた.本人・家族ともに脳出血を心配している.鼻水,くしゃみ,咽喉頭痛などの上気道症状は伴っていない.下痢や腹痛はなく,四肢の麻痺もない.高血圧症に対する降圧薬を年来近医で処方されているが,脳血管疾患や心疾患の既往はない.診察室ではひっきりなしに悪心を訴えるが,嘔吐はない.意識は清明であり,会話も可能である.バイタルサインは,血圧136/88 mmHg,脈拍90/分,体温36.5℃であった.項部硬直はなく,胸・腹部にも異常所見はない.四肢の筋力,感覚,深部腱反射も正常であった.
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