JIM Report ミシガン州立大学家庭医療学指導医研修プログラムに参加して(3)
興味深いカリキュラムの紹介
江村 正
1
1佐賀医科大学総合診療部
pp.264-265
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100571
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日本では,不十分な卒前教育のつけが卒後教育の場にまわってきている,と前号で述べた.ミシガン州立大学医学部(MSU)では臨床医の養成のために,いくつかの興味深いカリキュラムが,プレクリニカル卒前教育で行われていた.今回はそれらを紹介する.
Longitudinal Patient-Centered Experience(継続的患者中心アプローチ実習,LPCE)について
慢性疾患を有する患者ボランティアに継続的に接しながら,臨床に必要な患者中心のアプローチ(patient-centered approach)を学ぶ,新しいカリキュラムである.医学生は1年生の1月より,2人が組となって15カ月の間に8回,患者の自宅を訪問する.患者が疾病によりどのような影響を被っているか,患者の健康観,終末期医療に対する考え,患者およびその疾病が家族に及ぼす影響,患者が加入している医療保険の問題点などについて,毎回決められたテーマに従って患者を訪問しレポートを提出する.患者を中心として,患者・家庭・地域のつながりがわかる,まさに家庭医療の重要性を体得できる実習である.
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