特集 アレルギーの臨床―第一線での診断と治療
薬剤アレルギーの診断と治療
横山 智哉
1
,
時女 和也
1
,
水谷 仁
1
1三重大学医学部皮膚科
キーワード:
薬疹
,
DLST
,
パッチテスト
,
内服テスト
,
ステロイド.
Keyword:
薬疹
,
DLST
,
パッチテスト
,
内服テスト
,
ステロイド.
pp.136-139
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100539
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Case
解熱鎮痛薬によるTEN(toxic epidermal necrolysis)型薬疹の1例
患 者:52歳,男性.
既往歴:心筋梗塞,心房細動にて内服加療中.
現病歴:左拇指外傷にて抗生剤などを内服中に発熱,咽頭痛が出現し,近医にて処方された感冒薬を内服.直後より体幹,四肢にそう痒性皮疹を認め,全身に拡大,某総合病院へ入院.口腔内びらんを認め,TEN型薬疹を疑われ当科へ転院.顔面,体幹,肛門,口腔粘膜に広範な表皮剝脱を認めた.プレドニゾロン50 mg/日の点滴静注治療にて皮疹の新生は停止し,その後漸減して中止.DLSTにてアセトアミノフェンが強陽性を示し,原因薬剤と推定された.TEN型のため同薬剤の貼布試験,内服試験は再発の危険性が高いため施行しなかった.
われわれ臨床医は日常的に薬剤を使用しているが,その結果として薬剤アレルギーが起こりうるということを認識していなければならない.薬剤アレルギーは皮疹(薬疹)1)として発見されることが多く,いち早く気づいて,対処することが重要である.本稿では,薬疹を中心に薬剤アレルギーの診断と治療につき概説する.
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