特集 ズバッと答える臨床知識 学生・患者に説明できますか?
身体所見・検査の疑問
血液サラサラって何?
内村 功
1
1東京医科歯科大学内分泌・代謝内科
キーワード:
血液粘度
,
ズリ速度
,
赤血球変形能
,
白血球の粘着
,
血小板の凝集
Keyword:
血液粘度
,
ズリ速度
,
赤血球変形能
,
白血球の粘着
,
血小板の凝集
pp.896-897
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100450
- 有料閲覧
- 文献概要
近年健康に対して関心が高まり,テレビの医学番組をみた患者さんから,いろいろな質問を外来診療中に受けることが増えた.そのなかでもとくに多いのはテレビによる造語で,その代表に血液サラサラ・ドロドロというのがある.血液がサラサラとはどのようなことか意味不明であっても,抗血小板薬が血液をサラサラにする薬として,外来での投薬説明に用いられている.
サラサラという言葉を広辞苑でひくと「浅い川の水が小石などに当たりながら淀みなく流れる音」「油気・粘り気・湿気がなく心地よくかわいているさま」と書いてあり,ドロドロをひくと「固体が溶けたり液体と粉末がまざったりして,粘りが出ているさま」とある.サラサラ・ドロドロという言葉は,いずれの場合も血液の粘り気(粘性)が低かったり高かったりして流れの状態がよくなったり悪くなったりすることを示していると考えられる.そこで,本稿では血液の粘性とその度合いである粘度について考えてみる.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.