特集 しびれにご用心
しびれの基礎知識
渥美 哲至
1
1あつみ神経内科クリニック
キーワード:
しびれ
,
知覚障害
,
運動障害
,
知覚経路
,
背景疾患
Keyword:
しびれ
,
知覚障害
,
運動障害
,
知覚経路
,
背景疾患
pp.700-704
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100407
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Question & Answer
Q:しびれの鑑別診断のポイントは?
A:まず,しびれの分布とタイプを明らかにする.症状の経過・進行に注目し,背景疾患,遺伝・環境要因についても注意が必要である.
患者の訴えるしびれ
「しびれ」は通常,知覚障害の訴えとして用いられ,たとえば手がしびれる,足先がしびれる,口の周りがしびれる,などがある.しかし時に,右手がしびれたと訴えているが右の上肢の運動麻痺であるなど,運動麻痺をしびれと訴えることがある.これは脳血管障害など軽い不全片麻痺や単麻痺の際に多く,完全麻痺をしびれと訴えることは少ないと感じている.パーキンソン病による運動障害も,しびれの訴えで来院することがある.振戦,固縮,無動のどれかというより,患者は総体的な運動障害を「しびれ」と指していることが多い.
しびれの基礎知識
「しびれ」は「麻痺」と同源であり,元々は運動,感覚の両者の麻痺を総称していたものであろう.運動障害の症状としての「運動麻痺」に対し,知覚障害の症状を「しびれ」と総称し,知覚障害の知覚鈍麻,知覚過敏,異常感覚などの解析とともに,知覚障害の症状としてしびれが細分化されるようになったのであろう.実際に,運動麻痺と感覚麻痺は単独に現れることもあるが,両者を同時に伴っていることも多い.
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