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Question & Answer
Q1:尿路・生殖器感染症の原因菌として多いものは?
A1:大腸菌などに加え,性行為感染症の原因菌も検索すべき.基礎疾患により真菌群もありうる.とくにクラミジアと淋菌は必ず念頭におくこと.
Q2:尿路・生殖器感染症に対して抗菌薬を使う際に,気をつけるべき点は?
A2:適切な抗菌薬を選択し,適切な期間投与し,内服コンプライアンスを確認.抗菌薬はその地域における耐性菌の出現状況を考慮して選択すべきである.
Q3:尿路・生殖器感染症診療において,問診で気をつけるべき点は?
A3:医療者側の先入観や批判的な考え方を極力排除した中立的な立場をとり,患者のプライバシーを尊重した態度が求められる.
プライマリ・ヘルス・ケアを日常的に行う外来診療では,年齢を問わず尿路・生殖器系の感染症を治療することも多い.耐性菌の発生を抑え,副作用を最小限にするために抗菌薬の適正な使用が求められる.また,性行為の活発化・低年齢化(とくに女児)が顕著となり,それに伴いSTD(sexual transmitted disease:性行為感染症)の蔓延が指摘されている.感染症の治療のみならず,教育や啓蒙活動,予防への積極的な介入も,プライマリ・ヘルス・ケアを担う医療従事者にとって非常に重要である.
腎盂腎炎の治療
Case 1
糖尿病と前立腺肥大で加療している78歳男性の1例
78歳の男性.39℃の発熱と悪心・嘔気で救急外来を受診.腰痛や節々の痛みを訴えていたが,発熱によるものと判断.急性胃腸炎と診断し整腸剤を処方し経過観察とした.
翌朝,解熱せず自力歩行困難,腰痛も増悪し内科外来を家族と受診.排尿困難と尿の混濁を認め,尿検査で白血球と細菌が陽性,白血球円柱もあり腎盂腎炎と診断.入院加療となった.
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