となりの総合診療部 19
福井大学医学部附属病院総合診療部
pp.600-601
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100385
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総合診療部に関わる疑問
当総合診療部もスタッフを迎え院内に独自の外来をオープンしてから,おかげさまで4年目を迎えました.昨年はわれわれにとって画期的な出来事がありました.われわれが提案した「救急に強い僻地診療専門医および専門看護師養成コース」が文部科学省の「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人教育支援プログラム」に選定されたのです.そこで改めて,総合診療医はどのような医療を提供できるのか,総合診療を担う医師をどのように育成していけばよいのか,といったことを考えさせられました.
総合診療に関わる学会が提唱する基本理念のようなものはそれぞれありますが,実際に学会に出席して話を聞いても,総体としてとらえる範囲が広いため,学会内でもどうも話が食い違っているように感じてきました.さらに総合診療という概念が医学界でもまだよく知られていないために,学内の専門医の先生方や医学生からも「総合診療部って何をしているところ?」「総合医になっても働けるところがあるんですか?」さらには,「先生,総合診療外来で働いてますけど,専門は何なんですか?」などといった質問をよくされます.このような質問に対して,総合診療部の医局員自身が具体的な返事に窮していることはとくに問題だと思います.そこで,やはりわれわれ総合診療部の基本理念について医局員のすべてが(ゆくゆくは学内のあらゆる職員,学生にも)熟知できるように広めていかなければと思うようになりました.
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