読書療法 患者にすすめるこの1冊・17
『痛みの心理学 疾患中心から患者中心へ』
前沢 政次
1
1北海道大学大学院医学研究科医療システム学分野
pp.174
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100244
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大学病院の総合診療科に勤務するようになって,「痛み」を主訴にする患者を多く診るようになった.総合診療科は第一線のプライマリ・ケアとは異なり,患者は他の複数の医療機関で繰り返し検査を受けている場合が多い.そのことは「痛み」を訴えて来院する場合,明確に病名が付けられていないことを意味している.
痛みの原因は多岐にわたる.とくに急性痛でない場合は原因を探ることが困難である.これはひとつの疾患群になっていて「慢性疼痛(chronicpain)」と呼ばれている.その中でも比較的治療しやすいのは,うつ病,ないしうつ的な物質変化が脳内に起きている場合である.抗うつ薬で比較的短時間に痛みが和らいでいく.
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