特集 増える超高齢者への医療
超高齢者のケアのコツ
⑧精神疾患―行動異常
一瀬 邦弘
1
,
中村 満
1
,
竹澤 健司
1
1東京都立豊島病院
キーワード:
せん妄(delirium)
,
痴呆(dementia)
,
うつ病(mood disorder)
,
不安障害(anxiety disorder)
,
精神病(schizophrenia,schizotypal and delusional disorder)
Keyword:
せん妄(delirium)
,
痴呆(dementia)
,
うつ病(mood disorder)
,
不安障害(anxiety disorder)
,
精神病(schizophrenia,schizotypal and delusional disorder)
pp.135-137
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100232
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超高齢者の精神疾患(行動異常)で急を要するものは?
精神科救急に運びこまれる超高齢者の精神疾患を概観すると,その最大の特徴は,ほとんどが国際疾病分類ICD-10のうちの器質性精神障害(F0)に含まれることである.ここではさまざまな原因による「せん妄」が多く,軽い痴呆に重畳したせん妄のケースが主である.せん妄の必須症状には意識,注意,認知,知覚の障害などがある.つまり注意障害を伴った軽い意識のくもり(混濁)を基盤とする症候群で,認知機能の障害,錯覚や幻覚などの知覚障害,興奮など精神運動性の障害,それに睡眠・覚醒リズム障害を同時に示す.
家族には,「一過性の脳機能失調によって起こり,ゆっくりと進行する痴呆と違って一時的な“ぼけ”のひとつです」などと説明する.
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