特集 増える超高齢者への医療
超高齢者のケアのコツ
①循環器疾患―高血圧の管理,心臓カテーテル検査・PCI,抗凝固療法
岡山 英樹
1
,
檜垣 實男
1
1愛媛大学第二内科
キーワード:
高齢者高血圧
,
緩徐な降圧
,
低用量の降圧薬
Keyword:
高齢者高血圧
,
緩徐な降圧
,
低用量の降圧薬
pp.111-113
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100225
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高血圧の管理
超高齢者においても,高血圧の基準は140/90mmHg以上と定義される.高齢者高血圧の治療効果について,80歳以上を対象としたメタアナリシスの結果でも,心事故,心不全,脳卒中の発症抑制効果が認められている1).降圧の目標値に関して,わが国の『高血圧治療ガイドライン2004』では高齢者の降圧の最終目標を140/90mmHg未満としているが,80歳台後半における降圧療法のエビデンスは存在しない.同ガイドラインでは75歳以上の後期高齢者において,軽症高血圧の降圧目標は140/90mmHg未満とするが,収縮期血圧160mmHg以上の中等症・重症高血圧では150/90mmHg未満を暫定的降圧目標として140/90mmHg未満を最終の降圧目標としている.
すなわち高齢者においては,脳・心・腎をはじめとして合併症を有する確率が高いこと,起立性低血圧が多いことから,降圧薬は常用量の1/2程度から開始し,めまい・ふらつきなどの自覚症状を注意深く観察しながら3~6カ月かけての緩徐な降圧が重要である.
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