特集 増える超高齢者への医療
超高齢者の生理学的特徴―診断と治療上の留意点
高橋 龍太郎
1
1東京都老人総合研究所
キーワード:
基準値
,
自律神経
,
老年的超越
,
低栄養
,
薬剤多剤投与
Keyword:
基準値
,
自律神経
,
老年的超越
,
低栄養
,
薬剤多剤投与
pp.106-110
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100224
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超高齢者の医療
サインの変化に留意する
診察を希望してきた患者に対しては,症状とその経過,今までの病歴,所見といった情報を得,それをもとに検査などを組み合わせて診断を行う.超高齢者であっても基本事項は変わらないが,全体の流れに少し工夫が必要となる〔症状→病歴→徴候(サイン)と所見→症状〕.
臨床医学では自覚的症状と徴候,他覚的所見とをあわせて症候と呼ぶことが多いが,高齢者,とくに超高齢者では,自覚的な訴え・症状と他覚的な所見・徴候とを区別し,当初の症状が徴候を考慮に入れても同じ病態に関連するか,そう判断してよいかどうか検討することが役に立つ.硬い言葉でいえば「徴候を念頭において症状を再定義するプロセスが有用である」ということになろう.
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