特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
高齢者および女性の高血圧
高齢者
石川 讓治
1
1東京都健康長寿医療センター循環器内科
キーワード:
高齢者高血圧
,
忍容性
,
生活の質
,
ポリファーマシー
Keyword:
高齢者高血圧
,
忍容性
,
生活の質
,
ポリファーマシー
pp.239-243
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_239
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪高齢者高血圧に対する薬物治療の開始基準は140/90mmHg以上である.
▪75歳以上で収縮期血圧140~149mmHgや自力での外来通院不能な患者(フレイル,認知症,要介護,エンドオブライフを含む)における降圧薬開始は,個別に判断する.
▪自力で外来通院可能な高齢者の降圧目標は,忍容性があれば原則として65~74歳は130/80mmHg未満,75歳以上は140/90mmHg未満である.
▪併存疾患によって降圧目標が130/80mmHg未満とされる場合,75歳以上でも忍容性があれば130/80mmHg未満を目指す.
▪降圧薬治療において,血管狭窄(両側頸動脈75%以上狭窄,有意な冠動脈狭窄),血圧調節異常(起立性低血圧,起立性高血圧,食後血圧低下),自力での外来通院不能(フレイル,認知症,要介護,エンドオブライフを含む)などの症例では降圧目標や降圧スピードを個別に判断する.
▪忍容性の確認においては,副作用の発現や臓器障害,生活の質にも留意する.
▪高齢者では脱水,摂食量減少,生活環境変化などに伴い減薬や薬剤中止が必要な場合がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020