今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[循環器疾患] 高血圧
根木 玲子
1
1国立循環器病センター周産期科
pp.513-515
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100255
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1 診断の概要
妊娠中の高血圧には,妊娠前より腎炎や高血圧が存在し,妊娠により高血圧が発現・顕在化,増悪するものと,妊娠によってはじめて高血圧が出現するものとがある.前者を高血圧症(chronic hypertension),後者が妊娠高血圧である.
従来の日本産婦人科学会の妊娠中毒症の病型分類には,前者は混合型妊娠中毒症として,後者は純粋型妊娠中毒症として分類されていた.しかし今春より,従来の「妊娠中毒症の定義分類」から「妊娠高血圧症候群の定義・分類」と改定されることとなる.それによると,妊娠高血圧症候群の定義は,「妊娠20週以降,分娩後12週までに高血圧がみられる場合,または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれかで,かつこれらの症候が偶発合併症によらないものをいう」とされている.詳細は,本誌「妊娠高血圧症候群」の項を参照されたい.
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