特集 結核を見逃すな!
日本における結核感染症の現状―結核専門医からプライマリ・ケア医へのメッセージ
岸 不盡彌
1
1北海道社会保険病院
キーワード:
結核緊急事態宣言
,
結核中進国
,
高齢者の結核
,
受診・診断の遅れ
,
若年者罹患率
Keyword:
結核緊急事態宣言
,
結核中進国
,
高齢者の結核
,
受診・診断の遅れ
,
若年者罹患率
pp.370-372
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100091
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Case
受診の遅れにより進行した糖尿病患者の肺結核
患者:65歳,男性.
既往歴:職場検診で55歳頃より血糖の高値を指摘されていた.
現病歴:9月中旬より乾性の咳が続くようになり,11月末に37.8℃の発熱,痰も出現したため近医を受診した.かぜ症候群として内服薬を5日間処方された.一時軽快したが,12月中旬に再度かぜ症状で他院を受診.胸部X線写真にて右上肺に浸潤陰影を認め,肺炎として当院に紹介入院した.
入院時,空腹時血糖250 mg/dl,HbA1c 7.8%の糖尿病であった.右上肺には空洞を伴う乾酪性肺炎陰影,左肺尖部にも散布陰影を認め,喀痰塗抹検査でガフキー3号の抗酸菌を検出,同定により結核菌と判明し,肺結核と診断した.
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