特集 MRIの使い方
頭部MRI
石川 和宏
1
,
古澤 哲哉
1
,
岡本 浩一郎
1
,
笹井 啓資
1
1新潟大学医歯学総合病院放射線部
キーワード:
虚血性白質病変
,
FLAIR像
,
超急性期脳梗塞
,
拡散強調画像
,
MR angiography
Keyword:
虚血性白質病変
,
FLAIR像
,
超急性期脳梗塞
,
拡散強調画像
,
MR angiography
pp.104-107
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100048
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Case
内頸動脈狭窄に伴う分水嶺梗塞(watershed infarction)の1例
患者:62歳,男性.
既往歴:以前,糖尿病を指摘されたことがあるが,放置.
現病歴:強い右片麻痺が一過性に出現.麻痺はすみやかに消失したものの,2日後にも同様の発作を認め,脳外科に紹介受診となった.CT上は脳室周囲に軽度の低吸収域を認めるのみだったが(図1a),MRIでは虚血性白質変化とみられる異常信号域に加え,拡散強調像にて,左前大脳動脈と中大脳動脈との境界領域に急性期梗塞に相当する点状の高信号が多発していた(図1b~d).さらに,MRAでは左頸部内頸動脈の近位部に高度狭窄を認め(図2),内頸動脈狭窄に血行力学的機序(すなわち低灌流)が加わって生じた分水嶺梗塞と考えられた.
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