増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅳ.ベッドサイドトラブル対処法
泌尿器科手術後の腹膜炎・腸管縫合不全
吉田 正貴
1
Masaki Yoshida
1
1熊本大学医学部泌尿器科
pp.197-201
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904603
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1 はじめに
泌尿器科手術後の腹膜炎や腸管縫合不全は頻度的にそう多くはない。しかしいったん発症すると重篤になり,場合によっては生命をも脅かす結果となることもあり,緊急に対処する必要がある重要な合併症である。術後比較的早期の腸管縫合不全よる消化管瘻の頻度は1.1〜5.4%と報告されている。腸管縫合不全は症状としては急性腹膜炎としての症状を呈することが多く,急性腹膜炎の症状・診断については十分な理解と対処法を身につけておくことが必要である。急性腹膜炎は腹腔全体に炎症が波及する汎発性腹膜炎と,大網,小網や腹腔内臓器に囲まれて炎症が局所に限局する限局性腹膜炎に分類される。
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