小さな工夫
女性尿失禁防止用腟装具挿入のためのアプリケーター
原 眞
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
pp.914
発行日 1990年10月20日
Published Date 1990/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904340
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女性の腹圧性その他の原因の尿失禁に対しては,骨盤底筋群の訓練,薬物療法,手術療法と有効な治療法が多いが,種々の理由でこれらの治療を行えない場合とか,これらの治療で十分な効果が得られない場合もある.そのような症例に対しては尿失禁防止用腟装具が案外有用なことがある.本邦では三木ら1)が考案した腟装具が入手しやすいが,これはラテックススポンジ性の直径5.5cm,厚さ2.5cmの円板状のものである(図1).ただ,この腟装具は有用であるが,腟内に挿入するのが意外にむずかしく,患者に説明して手渡しても,実際にはうまく使用できないことも多い.そこで生理用タンポンの挿入法を参考にして,腟装具挿入用のアプリケーターを考えてみた.
用いたものは一般に市販されている凍らせて食べるアイスキャンディーのポリエチレン製のチューブである.チューブをハサミで切り,図1および図2—aのような形に整える.そしてチューブの内側に十分にゼリーをつけてすべりをよくして,まずチューブ内に装具をつめてしまい,さらにディスポの注射器の内筒をピストンとしていれる.
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