Urological Letter・565
陰嚢水瘤の無痛排液法
pp.353
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904297
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診療所で普通に行われる陰嚢水瘤の排液は,解剖学的にデリケートな部位に針をさすために,患者さんの多くはこわがる。筆者の経験からは,しかし,一度行われると痛いものではないことがわかる。少なくとも吸引の終わりの時点で,つまり液がほとんどなくなった時に,睾丸ないし副睾丸が針先に当たるために痛むのである。泌尿器科医は,できるだけ多くの液を排除しようとするために,陰嚢をしぼるようにするが,これが一層,痛みを助長し,しばしば出血させることにもなる。
通常,筆者は18ゲージ,1.5インチの針を使っているが,このようなことを経験しているので,もしも翼状針を使ったならば,患者さんにとってはより気楽に感じられるのではないか,と考えた。翼状針の最大は19ゲージ,7/8インチで,12インチの軟性プラスチック管に接続できるし,標準注射筒にも適合する。この方法を行い始めてから,吸引に際して患者さんからの痛みや不快感の苦情が少なくなった。第1に19ゲージの針は吸引には十分な太さである。第2に7/8インチの長さは吸引にさいして満足な長さである。第3にチューヴが柔軟なので,吸引際中に注射筒が動いても針の位置が変わらないし,内容をあけるために注射筒を外した時にも不快感を訴えない。短い針はむしろ長い針よりも便利である。
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