小さな工夫
回腸導管術後患者用の入浴器具の試作
稲富 久人
1
,
奥川 満子
2
1産業医科大学泌尿器科学教室
2産業医科大学病院泌尿器科病棟看護婦長
pp.303
発行日 1990年4月20日
Published Date 1990/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904286
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回腸導管造設術後患者にとって,日常生活において手術前に比べ量的にも,質的にも制限が加えられる。入浴は身体の清潔をはかり,気分も爽快とし日常生活に欠かせないものである。その入浴に関しても,ウロストーマ患者の場合,入浴方法,入浴時間など制約がある。ウロストーマの場合,コロストーマと異なり尿が常に流れ出ること,また逆行性感染防止のため集尿袋をつけたままの入浴方法がとられることが多い。患者はフランジが濡れないよう工夫をしているが,それでも浴槽につかれる時間は長くても1分程度であり,また,「フランジの濡れが必配で,なかなか長湯が出来ない」という患者も多い。
我々は,図のように直径がバリケアフランジを覆うことができる大きさのお椀に,アメゴム(駆血帯を利用)を二重にはりつけたウロストーマ患者用の入浴器具を試作した。アメゴムを二重にすることにより皮膚面との密着性が良くなり,湯の浸入を防ぐことが出来るようになった。
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