増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅳ.術後合併症とその管理
2.循環器系
虚血性心疾患
五十嵐 辰男
1
Tatsuo Igarashi
1
1千葉大学医学部泌尿器科
pp.260-262
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903228
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 はじめに
術後の虚血性心疾患は程度によっては致命的となることもあり,重篤な術後合併症の1つに数えられる。したがって,治療の時期,手段の選択,周術期の適切な心機能や全身状態の管理によりまず心虚血発作の回避を心がけることが重要であり,万一,心筋虚血発作をきたした場合でも適切な診断,処置を行うことで救命をはかることが治療のゴールといえる。泌尿器科領域では高齢者を治療する機会が多いが,加齢は虚血性心疾患発症の危険因子であるので,心機能の評価,管理方法を習熟することは泌尿器科医にとって重要な事項と考えられる。
本稿では,心筋虚血発作の回避に重点をおき,心機能の評価,術中・術後管理について記す。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.