手術手技 基本手技・19
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松島 正浩
1
,
丸岡 正幸
2
1東邦大学医学部附属大橋病院泌尿器科
2千葉県がんセンター泌尿器科
pp.605-608
発行日 2000年7月20日
Published Date 2000/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903021
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全国膀胱癌患者登録調査報告の第4号(1985年症例)と第14号(1995年症例)の膀胱癌全摘後尿路変更(向)法について調べてみると,1985年症例では,回腸導管が54%を占め,続いて尿管瘻36%,その他(Kock pouchなどを含んでいると思われる)2%となっている。1995年症例では,回腸導管が56%,尿管婁が20%と両者が相変わらず多いが,自己導尿型代用膀胱が4.2%,尿道吻合代用膀胱が13%と増えており,QOLの向上を目指した尿路変更術が盛んになってきているのは確かである。しかし本邦全体からみると,やはり回腸導管が尿路変更の半分を占めているのが現状である。
今回,「臨床泌尿器科」54巻7月号の手術手技・基本手技の尿路変向術(回腸導管)についての貝塚市立病院泌尿器科井口正典先生の論文のコメント依頼をうけた。井口先生の論文は回腸導管の後期合併症の発生に注意した手術のポイントを中心に,きめ細やか,詳細に記述され,手術のポイントは全て図解してあり,初めてこの手術を行う泌尿器科医の手引き書となる素晴らしい内容である。手術手技は各施設により細かい点で多少異なるかと思う。それは最初に術式を学んだ施設,参考にした手術書,参考文献により微妙に異なるからである。
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