増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅴ.外来診療のポイント
男性不妊症
佐々木 昌一
1
,
郡 健二郎
1
Sholchi Sasaki
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科
pp.211-216
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902926
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1 はじめに
カップルが1年間正常な夫婦生活を営んだ場合,約90%に挙児を得ることができるといわれる。すなわち,1年を超えて子供ができない場合は,不妊症を疑って検査を進めることが必要である。
不妊症カップルのうち,その原因が男性側のみにある場合が約1/4,男女両方に原因がある場合が約1/4であるといわれる1)。つまり,男性不妊として検査・治療を進めていても,約半数はパートナー側にも不妊原因があり得るので,産婦人科医と協力して女性側の因子を調べておかなくてはならない。また,最近の補助生殖技術の進歩に伴い,倫理的にも技術的にも複雑な治療を行うことも多く,治療方法の選択に当たっては,夫婦でよく話し合う必要があり,このため妻も診療に同席することが望ましい。
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