特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅰ 症状・徴候からのアプローチ
性機能障害
019 男性不妊症
小谷 俊一
1
1中部労災病院泌尿器科
pp.62-64
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103087
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1 定義と病因
通常の性生活を2年間営んでも子供に恵まれない状態が不妊症であるが,この中で男性側に原因のある場合を男性不妊症と呼んでいる。不妊カップルは夫婦の10組に1組発生し,さらにその約半数は男性側に原因があるとされていることより1),男性不妊症の患者は相当数潜在していることが予想される。男性不妊症の原因としては,①造精機能障害(81%),②精路通過障害(14%),③性機能障害(5%)の3大要因がある2)。造精機能障害は,その約半数が原因不明(特発性),30%が精索静脈瘤,そのほかに染色体異常,停留精巣,内分泌障害などがある3)。精路通過障害には鼠径ヘルニア術後,精管切断術後,精巣上体炎後の炎症性閉塞,先天性精管欠損,ヤング症候群などがある3)。性機能障害には勃起障害,射精障害,性欲低下などがある2)。
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