病院めぐり
国立大阪病院泌尿器科
岡 聖次
pp.923
発行日 1999年10月20日
Published Date 1999/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902780
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当院は大阪市営地下鉄の中央線/谷町線「谷町四丁目」駅の10番出口から1分,阪神高速法円坂出口より1分の,アクセスが便利な大阪市の中心地に位置している。近くには大阪城,大阪府警本部,大阪府庁,NHK大阪支局などがある。また,当院は大阪市内で最も高台の上町台地に位置するため,当科の病棟(西10階)からでも大阪市内の全域を展望することが可能である。
この地には,明治2年に大阪府により大阪府医学校病院が創設されたが,創設問もない明治2年11月2日に,わが国の近代兵制の創始者である大村益次郎が,シーボルトの娘であるおイネさんの看病の介もなく,京都木屋町で萩藩士に襲われた傷がもとで敗血症で死亡したと記録されている。大村益次郎の記念碑が当院の東南角に建立されているが,大村益次郎の生涯を「花神」で描いた文豪司馬遼太郎氏が,平成8年2月12日に腹部大動脈瘤の破裂により,当院においてその72年の生涯を閉じられたことは,運命の奇縁を感じさせるものがある。大阪医学校は明治5年に学制改革により廃され,翌明治6年に西本願寺津村別院内に建設された大阪府病院(大阪大学医学部の前身)に移行している。
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