増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅴ.新しい画像診断
直腸内コイルを用いた前立腺のMRI
今井 裕
1
,
平松 京一
1
,
中島 淳
2
,
村井 勝
2
Yutaka Imai
1
1慶應義塾大学医学部放射線科
2慶應義塾大学医学部泌尿器科
pp.409-414
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902639
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1 はじめに
前立腺癌は本邦でも生活の欧米化や世界第一位の高齢化社会を反映して,その罹患率および死亡率は今後急速に増加すると推測される。前立腺癌の治療方針は各施設で多少異なり完全には統一されてはいないが,いずれにしても治療法は腫瘍の病期診断,病理組織所見,および患者の年齢や全身状態に基づいて決定される。特に癌の病期診断においては前立腺内にとどまる腫瘍と被膜を超えて周囲組織へ浸潤する腫瘍を鑑別することが重要である。前立腺癌の診断には指診や前立腺特異抗原(PSA)のほかに,最近ではMRIや超音波検査といった画像診断の進歩もめざましく,多くの施設で盛んに行われるようになった。
本稿では,直腸内コイルを用いたMRIによる前立腺疾患の診断について概説する。
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