増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
4.先天異常
(1)腎臓
海綿腎
野々村 克也
1
,
篠原 信雄
1
,
小柳 知彦
1
Katsuya Nonomura
1
1北海道大学医学部泌尿器科
pp.203-205
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902588
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1 はじめに
本症は集合管遠位部の拡張をその本体とし,その部はしばしば嚢状・憩室状拡張となったり結石を生じる。病理学的にも腎乳頭内の集合管の拡張や小さな髄質部嚢胞がみられ,通常これらは集合管と交通している。また,その拡張部や嚢胞部の壁はしばしば集合管上皮の脱落やカルシウム沈着により殻化状を呈す。
疾患自体の存在は1908年にBeitZkeによって指摘され,1939年にはLenarduzziによってX線画像上の特徴が著わされた。1949年にCacchi R,Ricci Vによって病理組織学的検討がなされたことから,Cacchi-Ricci病とも呼ばれる1)。本症の一定数は無症候であり,発生頻度は不明であるが,文献によると5,000〜20,000人に1人と推定されている。
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