増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技
3.尿路変向術
(2)尿禁制型
マインツ式尿路変向術
野々村 克也
1
,
篠原 信雄
1
,
小柳 知彦
1
Katsuya Nonomura
1
1北海道大学医学部泌尿器科
pp.169-178
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902285
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はじめに
尿禁制を保つ尿路変向法は腸管の脱管腔化によって得られる低圧,高容量のリザバーおよび腸重積による逆流防止や尿禁制機能の形成がKockによって開発され,世界中に流布した1) 。その改良型の1つとして,1985年にマインツ大学のThüroffらは,回盲部を中心に腸管を遊離し,結腸部分に粘膜下トンネル法にて尿管を移植する方法をマインツ・パウチ(Mixed Augmentation Ileumn Zecum)として発表した2)。本邦では,兵庫医科人学の森ら3)が早くからマインツ・パウチを追試しており,われわれもそれに倣って試行錯誤を重ねてきた4,5)。
本稿では,われわれの経験に基づく本術式の要領,工夫,注意点につき概説する。
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