特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
1 先天性疾患および小児泌尿器科疾患
腎および腎盂の先天異常
024 海綿腎
本間 澄恵
1
1千葉県こども病院泌尿器科
pp.76-77
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103093
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1 概念・病因
囊胞性腎疾患の中で,腎髄質に囊胞形成するものについて述べることとする。
1945年にSmithとGrahamが報告した髄質囊胞腎(medullary cyatic kidney)に,後の1951年にFanconiらが報告したネフロン癆(Juvenile nephrophthisis)を包括し,juvenile nephronophthisis-medullary cystic disease complex(JN-MCD complex)と呼ぶ。これらは両腎に髄質由来の多発性囊胞を形成し,進行性の腎機能障害をきたしうる遺伝性疾患である。前者(髄質囊胞腎)は常染色体優性遺伝で比較的年齢が高く発症し,後者(ネフロン癆)は常染色体劣性遺伝であり若年発症が多いとされるが,実際には両疾患の鑑別は難しい1~3)。
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