交見室
「真性包茎に対するエストロゲン軟膏の有用性についての検討」を読んで
岩室 紳也
1
1神奈川県立厚木病院泌尿器科
pp.281
発行日 1999年3月20日
Published Date 1999/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902545
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本誌に掲載されました論文「真性包茎に対するエストロゲン軟膏の有用性についての検討」(安藤正夫・他,臨泌53:35-38,1999)は泌尿器科医に対してさまざまな観点から問題を投げかけていますので,「臨床泌尿器科」の読者の先生方にご意見をいただきたく,われわれの論文1,2)を根拠とした私見を述べさせていただきます。
まず,「真性包茎は年齢とともに自然治癒し」とありますが,「真性包茎」の定義がされていません。すべての泌尿器科医が真性包茎と納得できる状態は,包皮翻転を試みても観血的な処置なくしては亀頭部をまったく見ることができない状態のことだと思われます。しかし,それ以外の包皮翻転で亀頭部が一部露出できる包茎についての定義はありません。狭義の真性包茎であっても,そのほとんどが加齢とともに仮性包茎に移行することは明らかですが,われわれの検討では積極的に包皮翻転指導を行えば平均3か月で全例が仮性包茎になります。
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