交見室
MUSEについで/腎AMLの診断と治療法の進歩
長久保 一朗
1
1長久保クリニック
pp.1066-1067
発行日 1998年12月20日
Published Date 1998/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902485
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MUSE(Alprostadil)は1996年度のニューイングランドジャーナルに発表されて以来,すでに2年以上が過ぎています。私は第86回日本泌尿器科学会総会においてインポテンスに対するprostaglandinE1(PGE1)の尿道内注入療法の演題を発表した者のうちの1人です。このMUSEを使用するに至った経緯については,共同発表者の竹内が米国で友人の治療を見学し,日本でも十分に使用し得ると判断し,帰国後に調べたところ,治験を行いたいというメーカーや業者もいないということで,厚生省に輸入の申請をして識者の関心を喚起するつもりで使用したのが始まりでした。ここでは本誌7月号において木元康介先生が指摘されました疑問点についてお答えしたいと思います(臨泌52:626-627を参照)。
まず第1に,発表者の中に大学病院の医師が含まれているという点です。われわれがこの薬を使用する際には,大学のインポテンスの専門家に指導を受けながら薬の安全性や効果について検討し,また患者からのインフォームドコンセントを得るための十分な討議をし,使用計画書とアンケートを作成しました。実際には大学での薬品の投与は行っておらず,投与後の患者の追跡調査に止めていました。
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