Japanese
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綜説
女性腹圧性尿失禁における尿道括約筋不全ISDと腹圧下尿漏出圧ALPPの意義
The Significance of Intrinsic Sphincter Deficiency and Abdominal Leak Point Pressure in the Management of Female Stress Incontinence
加藤 久美子
1
Kumiko Kato
1
1名古屋第一赤十字病院泌尿器科
1Department of Urology, Red Cross Nagoya First Hospital
キーワード:
腹圧性尿失禁
,
(腹圧下)尿漏出圧
,
尿道スリング手術
Keyword:
腹圧性尿失禁
,
(腹圧下)尿漏出圧
,
尿道スリング手術
pp.989-999
発行日 1998年12月20日
Published Date 1998/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902468
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女性腹圧性尿失禁の機構を解剖学的尿失禁AIと尿道括約筋不全ISDに分けた時,従来少数派とされたISDの概念がprimary ISD,AIとISDの共存を含めて拡大し,術式の選択に変化をもたらしている。ISDの指標に腹圧下尿漏出圧ALPPがあり,腹圧負荷により尿失禁が起こる最も低い膀胱内圧をみるものである。立位安静時の膀胱頸部開大で規定されるtype Ⅲの頻度はALPPが低いほど高くなるが,ALPPのほうが定量化できる利点がある。ISDの治療に針式膀胱頸部挙上術は不適切で,尿道スリング手術や尿道周囲注入法が推奨される。スリング手術は筋膜,人工材料などを使って尿道を下方から支持するもので,尿閉,de novo instabilityの合併症から敬遠されがちだったが,最近minimal tension(tension-free)に配慮することによって,ISDだけでなくAIにも適応を広げている。
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