交見室
MR Urography/ハーモニック超音波画像の現状とその有用性
北島 清彰
1
1医療法人若鮎北島病院
pp.174-175
発行日 1998年2月20日
Published Date 1998/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902248
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10年ほど前になります。触診上前立腺癌が強く疑われた患者に諸検査と尿道膀胱造影を行いました。前立腺生検を予定しましたが,検査当日になり患者が来院しません。連絡をとりましたら「あの病院へ行くと痛いことをされるので嫌だ。絶対に行かない」と患者に来院を拒否されました。このような症例が2例続きました。前立腺癌患者に十分な治療を受けさせることができなかったことが悔やまれました。
この出来事以来,2度と外来で前立腺疾患を対象とした尿道膀胱造影を行っていません。その代わりに経腹的超音波断層法を多用しています。経直腸式超音波断層法も外来患者にはほとんど行わず,入院しての前立腺生検時に行っています。外来での前立腺癌の画像診断には骨盤の核磁気共鳴法(MRI)を用いています。前立腺癌に対してはT2の水平断像が有用で,癌病巣は低輝度に描出されます。MRIは,癌病巣の検出と局所浸潤の診断には非常に有用です。現在,前立腺癌に関するMRIのデータをまとめているところです。
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