小さな工夫
経直腸的前立腺生検時における直腸出血に対する止血方法
滝花 義男
1
,
石川 覚之
2
1山梨厚生病院
2川崎幸病院
pp.951
発行日 2010年11月20日
Published Date 2010/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102160
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前立腺癌の確定診断に,前立腺生検は必須の検査法である。初回は経直腸的超音波ガイド下前立腺生検が実施されている施設が多いと考えられる。系統的6か所生検法が中心であったが,10~12か所生検など,最近ではさらに生検の本数は増加している。経直腸的前立腺生検の主たる合併症は急性前立腺炎,血尿,血精液症以外に直腸からの出血である。出血時は指による圧迫や,ガーゼをタンポン状にして圧迫し,後で抜去することもある。ほとんどの出血は数日で止まる。実際に直腸出血の頻度は,2日以内の出血2.2%程度で,それ以上続く直腸出血は0.7%と報告されている1)。ただし,稀に輸血や外科的な処置が必要になることもある。前立腺生検の本数が増加している現状から,今後直腸出血で治療に難渋する症例も増加してくる可能性も考えられる。
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