増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅴ 泌尿器科手術に必要な腸管の局所解剖
蓄尿型尿路変向術
上領 頼啓
1
Yoriaki Kamlryo
1
1済生会下関総合病院泌尿器科
pp.222-228
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902060
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近年尿路変向術においても術後のQOLを重視した術式の改良が試みられてきている。すなわち回腸導管を主としていた失禁性尿路変向術と異なり尿の禁制を保ちうる禁制尿路変向術が1982年Kockによって発表され,QOLの面において高い評価を受け,その後多くの禁制尿路変向術の術式が報告されてきた。本稿では紙数に制限があるため,最近もっとも広く行われているRowlandらによって報告されたIndiana continent urinaryreservoir(Indiana pouch)を取り上げ,この手術を行うために必要な局所解剖について概説する。手術術式の詳細については他の成書に譲りたい。Indiana pouchの手術手順は①腸管の剥離,②腸管の切離,③虫垂の切除,④腸管の吻合,⑤パウチの形成,⑥尿管の吻合,⑦終末回腸部の縫縮,⑧ストーマの形成,⑨結腸瘻カテーテル留置,である(図1)。①〜⑧の手順手術にしたがって述べていく。ただし③と⑨については割愛する。
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