増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅰ 上部尿路・副腎系の局所解剖
2.腎臓
経腹的腎摘出術
堀江 重郎
1
Shigeo Horie
1
1国立がんセンター中央病院泌尿器科
pp.36-41
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902027
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
経腹的腎摘出術は,主に腎の悪性腫瘍が対象となる。後腹膜にある腎臓を"わざわざ"経腹膜的に操作して摘除することに,何らかの抵抗を感じる泌尿器科医も少なくないと思われる。ここでは,腎に到達する単なるアプローチの一つということにとどまらず,腫瘍を含む臓器をその被覆する膜構造とともに,「風呂敷に包んだごとき状態に1)」摘出するという腫瘍外科の基本原則から,この術式を考えたい。経腹的腎摘出術の局所解剖からみたポイントとして,筋膜と剥離層,腎静脈について整理してみよう。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.