特集 癌診療に役立つ最新データ2007-2008
Ⅰ.総論
癌治療成績の算出と解析
名川 弘一
1
Hirokazu NAGAWA
1
1東京大学大学院医学系研究科腫瘍外科
pp.31-36
発行日 2007年10月22日
Published Date 2007/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101881
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はじめに
ここ20年ほどのパソコンの進歩と普及により,医療データの統計学的解析が容易となってきた.しかし,医学研究者にとって,その解析法の選択や意味するところ,ならびに解析結果の解釈については,必ずしも完全な理解が得られていないのが現状であろう.
統計学の専門家を目指すのであれば,それぞれの統計解析手法について数式を用いた算出法を知っておくべきであろう.しかし,現在では便利なソフトが統計パッケージとして市販されているため,具体的な算出法よりもその統計解析の意味するところ,ならびに解釈を把握することのほうが重要である.このような背景から,本稿では医学研究者として知っておくべき統計学的事項の概念を中心に述べることとする.
なお,統計パッケージとして市販されているものに株式会社ヒューリンクスのSYSTAT®,スタットソフトジャパン株式会社のSTATISTICA®などがある.いずれも各種検定から生存率解析まで手軽に使用できる.STATISTICA®,SYSTAT®のいずれもWindows対応である.
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