交見室
腎悪性リンパ腫について,他
藤田 公生
1
1浜松医科大学
pp.618-619
発行日 1995年7月20日
Published Date 1995/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901563
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悪性リンパ腫は身体のあちこちから発生し,泌尿器科領域では精巣に発見されることが多いが,最近は腎付近から発生する例も増えてきた(続他:本誌4月号p329,1995)。
私たちの2例(日泌尿会誌,83:1521,1992)は,その後の吉村らの集計(泌尿紀要,39:831,1993)にふくまれていないが、1985年に経験した最初の例では術前にリンパ腫などは思い及ばず,病理からの報告にしたがって悪性線維性組織球腫として学会報告したが(日泌尿会誌,78:376,1987)。その直後にB細胞系のマーカーが染色されたという報告を受けた。現在では多数の症例が集積されているので,このような像をみたら"典型的なCT像を示した"ということになろう。専門医試験に出してもよい問題であり,その場合は本文中にも記載されているように"悪性リンパ腫ないし肉腫などを疑い,エコーガイド下に針生検を行う"というのが正解になろう。発育進展の部位をみると,腎被膜下あたりから発生すると考えたい。
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